単結晶サファイア
単結晶サファイアとは?
単結晶サファイアは、高純度のアルミナ(Al2O3)を人工的に巨大結晶に成長させたもので、俗にサファイアガラスと呼ばれています。
化学的には宝石のサファイア、ルビー(コランダム・硬玉)とほとんど同じですが、純度という観点からみれば宝石よりも混ざり物のない純粋な無色透明の結晶体です。
宝石では、アルミナ(Al2O3)に微量のクロム(Cr)が混ざると赤く発色してルビーに、鉄(Fe)やチタン(Ti)が混ざると青く発色してサファイアになります。
サファイアには色々な製造方法がありますが、主なものにヴェルヌイ法、EFG法などがあります。
●ヴェルヌイ法(火炎溶融法)
水素と酸素のバーナーの炎の中に材料となるアルミナの粉末を降らせ、炎中を材料が落下していくうちに融け、炎通過後冷えて固まる時に再結晶し、巨大結晶となります。最大の特徴は2000度を超えるサファイアの溶融点に耐える容器が不用なことで、結晶は棒状をしています。
●EFG法
高温のアルミナ融液に種結晶をつけてゆっくりと引き上げながら結晶を成長させます。
種結晶の形状により、板状、棒状、チューブ状などの形状の結晶ができます。また、必要とする結晶軸、結晶面で結晶を成長させることもできます。
単結晶サファイアの特性
●高強度、耐摩耗性、高剛性
他のガラスに比べてはもちろんのこと、金属材料に比べても優れた機械特性をもち、対磨耗部品を中心に、機械部品への応用が広まっています。
●良好な熱伝導性、高耐熱性
優れた熱伝導率と高い溶融点により高温での使用に耐えます。
●安定した電気特性
極めて低い誘電損失、安定した誘電率、絶縁性により、高周波帯域での基板材料、絶縁材料として使用されています。
●優れた光学特性
広帯域での光透過性が良好で耐摩耗性、耐熱性ともあいまって、各種実験装置など極環境での窓材。また偏光性や複屈折特性を利用したフィルター等にも使われています。 反面、サファイアにも多くの欠点があります。
●高い溶融点のため、合成にエネルギーを大量に使用するので、材料単価が高い。
●非常に硬い特性のため、加工にはダイヤモンドを使用せざるを得ないので加工コストが高い。
●硬い反面、靭性に欠けるため、チッピング等のカケが発生し易い。
●結晶材料のため、特性が結晶の軸方向に左右される。
いずれにしましても、サファイアには欠点を補って余りある優れた特性があり、発展途上の工業材料で、産業各分野において重要度を増しつつあります。